産地訪問

ブラジル サンパウロ カフェ事情

 

ブラジル訪問記の第2の目的は

ブラジルの大都市サンパウロでのカフェを訪ねて、現在のブラジルのカフェの状況

を見てくるというものでした。

 

実はサンパウロには1日しか滞在できず、限られた時間の中で訪問できた店舗は

3店舗だけでした。もっとたくさんお店を見たかったとも思いましたが、

エム・シー・フーズの永田さんにおすすめの店をピックアップして頂きました。

 

さて、ブラジルでは自国以外のコーヒーは輸入できません。

ということは、どこで飲んでもブラジルのコーヒーなのです。

スターバックスなどは焙煎豆で輸入し、販売しています。

ですから日本のようにいろんな国のコーヒーを飲むことができない代わりに

ブラジルの各生産エリア別のコーヒーを種類として扱っています。

 

といっても、現在でも自国消費の多くは輸出規格にならない低級品がほとんどで、

カフェジーニョと云って親しまれています。

しかしサンパウロなどの都市部では、アラビカ100%の高品質なコーヒーが

飲まれるようになり、徐々に広がっているそうです。

 

ブラジルのインフレ率は約7%。つまり毎年全てのものが7%値上がりしてるわけで、

そんな異常ともいえる国内事情もあり、サンパウロのカフェで飲むコーヒーは

350円以上と日本とそう変わりありませんでした。

そんなサンパウロのカフェの中の3店舗、半日という短い時間でしたが、

その魅力はコーヒーと深く関係している特徴を持った店でした。

 

Octavio Café オクタビオ カフェ

 

東京であれば丸の内あたりの雰囲気か、弁護士事務所が多いといわれるビジネス街のど真ん中に

「オクタヴィオ カフェ」はありました。

コーヒーカップをイメージしたユニークな外観とコーヒー豆の生産プロセスにインスピレーションを求めた

という内装も圧倒的な存在感があります。店舗デザイナーは有名な建築家だそうです。

店舗に入ると、メニューがタッチパネルで出てきました。すごいと思っていろいろとみていたのですが、

見ることはできるのですが、注文とはリンクしていないようで、注文を取りに来たお兄ちゃんは

メモを一生懸命していました。

 

 

 

メニューにはコーヒーをはじめとして、サンドイッチやハンバーガーなどのフードメニューもおしゃれです。

コーヒーについては、その抽出器具によってメニューが異なり、10種類に分かれています。

ケメックス、ペーパーフィルター、ネルフィルター、プレス、エアロプレス、サイフォン、モカエキスプレス

イーブリック、ポット、メタルフィルター、

これらがそれぞれ価格も違っていて、日本円で460円から950円まで結構高いです。

つまり、ここの店舗の客層はブラジルでもアッパーな人しか入れない店のようです。

入口、レジの周りにはコーヒー器具も販売しており、店舗の一番奥には小さな焙煎機も設置してありました。

この焙煎機のスペースではブラジルのコーヒー6アイテムを量り売りをしています。

この量り売りは袋のラベルも20パターンの中から選んで、好きなネームも入れることができます。

その場でプリンターでラベルを印刷し袋に貼って渡してくれます。

このシステムは面白い。日本でもできるかもと思いました。

価格は450gで2,200円位で、日本でもスペシャルティの価格帯です。

ちなみにこの店、2014ワールドカップではnakata.netcafe2014@サンパウロとして

サッカーの中田さんが15日間にわたってここで開催していたそうです。

店舗のサイトは下記

www.octaviocafe.com.br

 

Santo Grao サント グレオ

 

続いて訪問したのがサンパウロの表参道的なところにあるサント グレオ。

夕方訪問した時は、行列がついていて入れませんでした。

ということで、翌朝訪問することになりました。

この店、サンパウロにもほかに何店舗かあるようです。

落ち着いた外観で、店舗前のテントとガラス張りのテラス風の店内はパリのカフェみたい。

店内に入ると、手前はカウンターとテーブル席、夜はバールになるみたい。

店の奥は吹き抜けになっていて、一番奥に結構大型の焙煎機とそれを囲むカウンター。

かっこいい!!

この焙煎機はブラジル国産のLIIA社の焙煎機。渋いぜ。

この店舗もどちらかというと、アッパーな人たちの安らぎの場のようです。

 

 

 

スタッフに聞くと、毎日焙煎しているようですが、近所の事もあり朝早く焙煎しているようです。

そんなに深くない焙煎ですが、深く味わいのあるエスプレッソに仕上げていました。

落ち着いて飲めるソファーと内装はトラディショナルな雰囲気でありながらも、

ハイセンスな感じを受けました。

全体を渋い深緑で統一しているのも落ち着きと高級感を感じさせます。

焙煎してるとこ、見たかったなあ。

ラテアートもシンプルなデザインだけど綺麗に仕上げている。

技術の高さも感じました。

サイトは下記

www.santograo.com.br

 

Suplicy Café スプリシー カフェ

 

サンパウロの高級住宅街にあるスプリシーカフェはショッキングピンクの大きなコーヒー豆

が看板のおしゃれなカフェです。

コーヒー輸出業を営んでいた創業者のスプリシー家の写真も店内にあり、ピンクと黒を基調に

した若者のトレンドを意識した店舗です。

店内は大きなカウンターが奥に向かって伸びています。一番奥には「えっ、なに?」

ピンクに彩られたプロバット製の焙煎機がどんと鎮座してるではありませんか。

ここにブラジル各地から集められたコーヒーをここでピンクに焙煎しているのか。(ピンクにはならない)

これまでの2店舗とは違って、明るくPOPなイメージの内装です。この店舗はブラジル国内に

チェーン展開していてそういえばサンパウロ空港にもあった。と今思い出した。

業務用の卸もしているそうで、かわいいイメージはサンパウロのアッパーな若者に

支持されているようです。

よく見ると店内のスタッフも全員若い女性で、コーヒーにもこだわりを持つとともに

店舗イメージもとても大切にしている店なんだなあと、改めて思いました。

 

カップもかわいい。

サイトは下記

www.suplicycafes.com.br

 

スペシャルが根付きつつある都市部のカフェ

そしてイパネマ農園へ

 

3店舗訪問して感じたのは、どの店舗もブラジルのカフェの文化がどんどん

進化していて、提供する側と消化する側がうまく回っているように感じました。

 

これは今は都市部に限られていて、まだまだカフェジーニョを飲む家庭が多いのも事実。

でも少しづつ自国のコーヒーのおいしさに気づき始めているのも事実。

 

もしかすると数年先にはコーヒーを他国から輸入してたりして、

なんてことを思う今回のサンパウロカフェ事情でした。

 

紹介、アテンドして頂いたエム・シー・フーズの永田さん

有難うございました。

 

夕食まで少し時間があったので、本とCDを買いに書店に行きました。

ブラジルで本屋さんはほとんどないせいか、

異様に書店に人があふれています。

大きな書店なのに、平気でみんなくつろいで本を読んでいます。

すごい熱気と、あふれる人、

ここにもブラジルの大いなる一面を見たような気がしました。

 

そうしてサンパウロのカフェを見た後はブラジルに来て初めての

本場シュラスコを食べに行きました。

日本にはない、牛のあらゆる部位が食べれて幸せ!

カイピリーニャも美味しいし、次から次へと出てくる肉に

ちょっと戸惑いながらも楽しい夕食でした。

そうしてサンパウロの夜は更けていきました。

さてさて、翌日からはいよいよこの旅のメインミッション、

「イパネマ農園でのイパネマアカデミー」の始まりです。

 

つづく。

ダートコーヒー創業70周年を迎えて、美味しいコーヒーを求め

2014年7月23日から8月3日にかけて

世界最大のコーヒー生産国ブラジルへ赴くことになりました。

成田空港 実は出発前に大事件が待っていたのです。

今回、アメリカNYケネディー空港をトランジットしてサンパウロに行く事になっていました。

アメリカに入国する際にはESTA(エスタ)という米国渡航認証を取らなければならないのですが、

取っていなかった!

アテンドのエム・シーフーズの永原さんに助けてもらってWEBでその場で申請。

しかし、ESTA自体がメンテナンス中で、認証が下りない!

出発時刻が迫る中、一時はあきらめてどっかに潜伏しようとも思った時、

日航のJALスカイのサービスの方が走り回りながら、最後には米国大使館に直接連絡してくれ、

出発15分前にESTAが認証され、チケットが発行されました。やったー!飛行機に乗れる!

 

JALスカイのOさん、本当に有難う。 自分には女神に見えましたよ。

また、ミッションの皆さんには大変ご迷惑をおかけしました。

 

ちなみにコーヒーが好きだということだったので、帰国した際にブラジルの美味しいコーヒーを

お礼させてもらいました。

 

サンパウロからバルジニア途中のSA                 NYケネディー空港

 

バルジニアへ向かう途中でカフェジーニョを飲む。        サンパウロ空港から出発

 

 

今回のミッションの目的は3つ、

 

一つは南ミナスの生産地バルジニアを訪ね、ブラジルコーヒーを知ること。

一つはサンパウロでのブラジルカフェを訪問し、ブラジルのカフェ事情を知ること。

一つはメインとして今回イパネマ農園を訪ね、イパネマコーヒーアカデミーの

日本版第1期生としてイパネマのコーヒーを知り、記念コーヒーを探すことでした。

 

金沢を9時に出発してから、小松空港から羽田空港、成田空港へ移動して

18時20分ようやく国外へフライト、13時間かけてNYケネディー空港へ、

4時間のトランジットを経てサンパウロ空港まで約10時間、ブラジルに到着。

サンパウロ空港で車に乗り換え、バルジニアまで、約6時間、

 

実に、金沢から41時間後にようやくバルジニアへ到着したのでした。

こんな長い時間をかけないと、地球の裏側にいけないんだと、

改めて地球の大きさを実感。

 

まあ、そんなわけで、

まずはブラジル最大の生産地、南ミナスのバルジニアを訪ねました。

 

世界の中のブラジルコーヒー

ミナスジェライス州

 

ここで、なぜバルジニアを訪ねることになったかを、ちょっと説明。

ご存知の方も多いと思いますが、ブラジルは世界のコーヒー生産量(年によって違うが約12,000万袋)のなかで、

約40%(年によって違うけど5,000万袋以上)を占める世界1の生産国です。

brasil2.jpg

ブラジルの中のミナスジェライス州

 

その中で約50%がミナスジェライス州で生産されています。

ここは気候的にもコーヒーの栽培に適しており、高品質のコーヒーが生産されています。

かつてはパラナなど南の地区が主流でしたが、霜害などの懸念もあり、

現在ではミナスジェライスが生産の主流です。

 

世界の中のブラジルコーヒー ミナスジェライス州

3つのコーヒー生産地

 

さて、ミナスジェライス州といっても、日本の1.5倍の面積があり、

コーヒーの産地としては主に3つのエリアがあります。

ミナスジェライスの中のコーヒー生産エリア

 

1.セラードエリア

一時期はコーヒー生産エリアとして近年最も期待された平坦なエリア。

セラード開拓の1970年代には日本もかなりの出資をしていました。

現在ミナスジェライスの約10~15%の生産量があります。

2.ゾナ・タ・マッタ

東のエスピリットサント州に近く、元々はコニロン種が多く生産されていた地域。

最近は高品質のコーヒーも多く生産されています。この地域でミナスジェライスの

約10~15%の生産量があります。

3.南ミナス

ミナスジェライスの約50%の生産量がある地域。水源なども豊富なことから

高品質なコーヒーの生産地として多くの農園があります。

今回訪問したイパネマ農園もこのエリアにあり、他にも大規模農園が多いのも特徴といえます。

ブラジル全体を約5,000万袋とすると、南ミナスだけで、1,200万袋を生産する大きなエリアで、

標高も900~1,350mまであり、バラエティーに富んだコーヒーの生産エリアです。

イパネマ農園カポエリーニャユニット          イパネマ農園リオベルデユニット

 

世界の中のブラジルコーヒー ミナスジェライス州

南ミナスのバルジニア(Varginiha)

 

今回訪問したのは、南ミナスの中心に位置するバルジニア(標高900~1,100m)という人口約12万人の街です。

この近くにはサッカーの王様ペレの生誕の町もあるそうです。

またバルジニアの町が有名になった一つに都市伝説ともいわれる、宇宙人発見があります。

目が異常に大きいよく出てくるあの宇宙人、

このバルジニアで発見されたそうで、街の中に宇宙人のモニュメントがあったりします。

へーっ、そうだったんだ。

ここが、あの宇宙人の・・・・・という町です。

 

南ミナスで生産されるコーヒーの多くはこのバルジニアに集められています。

一つはここにブラジル第2位の規模のコーヒー農協ミナスル農協があることと、

日本からは日系三菱MCCB(三菱ブラジル)があります。

 

・MCCB(エム・セー・セー・ベーと呼ぶ)は、MC Coffee do Brasil の略で、三菱商事がブラジルコーヒーを

一手に買付精選して日本に輸出している企業です。以前はサントスに本社事務所があり、ここは精選工場だけでしたが、

2013年にバルジニア工場に集約しました。取り扱いの60%は日本に輸出されています。

MCCB工場                        MCCB事務所入り口

 

 

・ミナスル農協はブラジルで第2位の取り扱い規模を誇る農協で、南ミナスを中心に約5,000軒の生産者が加盟しています。

多くは国内や欧州などに向けてですが、MCCBと提携して日本向けにも輸出できるようになりました。

ミナスル農協                          ミナスル農協入口

 

世界の中のブラジルコーヒー バルジニア

MCCB(MC Coffee do Brasil)バルジニア工場

 

MCCBのバルジニア工場は、南ミナスから集められた原料を粗選別、石抜き、比重選別、スクリーン選別、

電子選別を経てそのロットごとに管理されています。

その後クラシフィカドールの下、カップで品質を見極められ基本はビッグバック(1,200Kg)に入れられて

管理されていました。ビックバックごとにトレースができるシステムができており、商品管理が徹底されていました。

スペシャルティコーヒーなどのトレース管理も併せてしています。

ここではMCCBの安岡社長に大変お世話になりました。

バルジニアには2日間滞在していましたが、安岡社長にいろいろと案内をお願いして

バルジニアの町を満喫しました。

MCCB 格付け                       MCCBにてカッピング

MCCB倉庫内                       MCCB選別機械

 

MCCBマルシオさんと                    MCCB品管ルーム

 

 

世界の中のブラジルコーヒー バルジニア

MINASUL ミナスル農協バルジニア本部

 

翌日はバルジニアの町中にあるMINASUL農協をMCCBの安岡社長の案内で訪問しました。

伝統、透明性、信頼をモットーにブラジルでは第2位の規模で、加盟の生産者は約5,000軒あります。

1958年に農協として設立し、現在は7都市に14の倉庫を持っています。

生産から販売までの一貫性を手掛けており、農協内では22年前からカッピングコンテストを行い、

高品質のコーヒーを育てて来ました。

今年は現在約60%が収穫終了で、いつもより早いペースだそうです。8月には100%終了予定で

例年は130万袋程度を収穫できる予定が、今年は干ばつの影響もあり100万袋程度に減少するかも

という厳しい見方もしていました。

このミナスル農協の最大の特徴は5,000軒の生産者の収穫したコーヒーを全てロットごとに管理し、

トレースすることができる設備を持っていることです。ブラジルでもこれが出来るのはうちだけだと

農協の責任者はおお威張り。でもこれが出来るってことは農協でありながら、農園指定のコーヒーを

取り扱うことができるということで、これはすごい!

現在ミナスル農協はMCCBと提携しており、この農協で扱っているコーヒーを日本でも取り扱うことが

できます。さすがに5,000軒の農園を全部カップしたいとは思わないが、魅力の一つです。

 

 

世界の中のブラジルコーヒー バルジニア

Fazenda dos Tachos タチョス農園の視察

 

ミナスル農協を案内してもらってから、加盟している農園の一つである農園を訪ねました。

ミナスル農協の案内で、バルジニアから東の山の中にある、ファゼンダ ドス タチョス農園にお邪魔しました。

この農園は標高1,180mに位置しています。

まずは農園主がお昼をごちそうしてくれました。ブラジルの田舎料理(素朴でとってもおいしい)を堪能した後、

話を聞くと、この農園は1780年に始めたそうです。

えっ、1780年!

ブラジルにコーヒーがもたらされたのは1727年リオの方だということから考えると、

ここはもしかしたら南ミナスの中では最も古い農園の一つと言えるのではないか。

最初からコーヒーを栽培していたかどうかはわからないけど、いい雰囲気。

レンガ造りの小屋も100年以上経過していてレトロ感バッチシ。

農園主のおじさんお話も何とも穏やかで、コーヒーの味覚もミナスル農協でカップした感じでは

とても素直でブラジルの持つ甘みを感じました。

機会があれば取り扱ってみたいコーヒーです。

 

 

まあそんなわけで、コーヒーの本場ブラジルの中心ともいえるバルジニアで

まずはザ・ブラジルを味わいました。

今回、MCCBの安岡社長をはじめ、クラシフィカドールのマルシオさん

ミナスル農協のマルコスさん、

そしてエム・シーフーズの永原さん、永田さんには本当に有難うございました。

また今回のミッションに参加した8名の皆さんのおかげで大変楽しく過ごせました。

有難うございました。

まだまだ報告は続きます。

次回の報告はサンパウロのカフェ事情です。

 

続く

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